ドロ沼から咲く華

「法華経」というお経の15章は「従地湧出品」といいます。大地から水や油が湧き出るように、”志を持つ人”は大地から湧き出てくると説かれます。つまりは悟りは天の上から降ってくるものではなく、地の下から湧き出てくるのだと教えています。

かつて浄土真宗の僧、金子文栄師は「キリスト教は天の宗教、仏教は地の宗教」と言ったように仏教にとって大地はとても大きな意味があります。

その大地の土には沢山の雑菌と微生物がいるように、私達が住む世界は怒りと貪りという欲にまみれています。しかし雑菌と微生物が沢山いる土は植物を大きく育む事ができる豊かな土です。そして人にとっては、この現実の世界の中での苦労と苦難が私達を大きく育ててくれる源です。この苦しい世界を糧として、必死に学び、成長していく人達を仏様は「これらは、我が子なり。」と呼び、なににも替えがたい大切な人達としています。

内閣官僚で詩人でもあった安積得也さんはこの「従地湧出品」の心をこの様に詠っています。

「はきだめから
えんどう豆咲き
どろ池から蓮の花が育つ
人みなに
美しき種子あり
明日、何が咲くか」

この「法華経」のインドでの原題は「正しい白い蓮華の華の教え」です。今、世の中は不安定で、沢山の人達が苦難に立ち向かっている最中だと思います。しかしその中で腐らず、それを糧として励む事。そうすれば白い蓮華の様な綺麗な華を咲かせる事ができるから、と仏様が応援してくれているような、そんな気持ちになりました。

松原泰道先生の「いろはに法華経」を参考に書かせて頂きました。

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