国は民によって成り立つ

私の地元は神戸ですが、身近に海もあり、山もあり、街もあり、とても過ごしやすい素敵な地域だと思っています。また港町として栄えた地域でもあります。そんな神戸ですが、年々人口の減少が進み、昨年には人口減少数が日本一になってしまいました。

皆様御存知の通り、神戸は阪神淡路大震災により壊滅的な被害を受けました。

復興を目指し、神戸市は様々な政策を行いました。その中には神戸市政上最大の失敗だったとも言われる「新長田地区再開発」もありました。新長田地区は火災で焼け野原となったので、商店街の復興のため大規模な複合テナント施設を作りました。

神戸市は再開発したテナントを販売して建設費を賄う予定でした。ですのでテナントの賃貸は認められませんでした。当時被災して家もお店を亡くしてしまった人達にとって、大きな借金をして高額なテナント買う事はとても大変な事でした。そしてお店の設備も全て無くなってしまった為、テナントを買った後に、さらに設備投資の為に借金をしてお店を開かなければなりません。

それだけではありません。大きな複合施設になった為、共用部分が多くテナントの固定資産税は倍以上になり、ビルの管理費も重くのしかかってきました。

被災した人々にしてみれば高すぎる条件の為、お店の再開を諦め、半分以上が空き店舗になりました。その為、神戸市は販売を諦め、賃貸でしかも安い値段で貸し出し始めました。そうすると、以前に販売したテナントの価値は下がり、値段は大きく下落しました。ようするに最初にテナントを買った人達は神戸市の政策にのって多額の借金をした後に、神戸市の政策によって資産価値を下げられてしまった訳です。

これはいったい誰の為の政策だったのでしょうか?

神戸市の政策の是非を論じたい訳ではありません。ただ私達は学ぶ事が出来る生き物です。

日蓮聖人のお手紙に「立正安国論」というものがあります。正しい仏法の上に安らかな国家が成り立つという考えでした。正しい道徳の上に、国のルールや政策があるべきだという事でもあろうと思います。

「立正安国論」の中では度々、国という字を「口」の中に「民」と書いています。それは人々が生活をする場が国であり、その人々の現実の生活が幸せである為に今何をしなければいけないのか、それが日蓮聖人の活動の動機だったからです。

コロナで大変な影響が出ている中、ニュースでは連日、支援政策がどうなるのかが報じられています。もちろん支援できる金額には財政上の限度があると思います。しかしそれをどう割り振るかは、何を大切にするかで変わってくると思います。

国の為の政策ではなく、人々が生活をちゃんと出来て、その結果として国が栄える政策が出ればな良いなと願っています。

立正安国論については末木文美士先生の「増補 日蓮入門 現世を撃つ思想」を参考に書かせて頂きました。

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