私達一人ひとりが社会の主役

安倍首相も交代し、変化の只中にある日本ですが、これからどうなっていくのかを考えるのに過去を振り返るととても学びになるなと感じています。江戸時代の日本はとても興味深い時代です。平和な時代が300年続いたという、ざっくりとした印象がありますが、実はバブルもあり、インバウンドもあり、テロもあり、格差もあった時代でした。

最初の江戸は6万人程度の大して大きな街ではありませんでした。その街が当時世界第一の人口規模を抱え、世界第二位の経済成長率を誇る都市に変化したのですから急激な変化でした。

まず江戸を首都とする為に大量の建設、開発ラッシュが起きました。さながら高度経済成長期や東京オリンピック前の開発ラッシュの様です。その後参勤交代により地方から大名が来てお金を大量に消費するバブルが起きました。ついこの前までのインバウンド需要の様ですね。

しかし物価の高騰が続き、江戸での消費が各大名の年貢の収入では賄えなくなり、バブルが崩壊しました。その後は商人が取って代わり経済成長は続きましたが、今度は格差がどんどんと広がっていきました。貧しい人は生活もままならなくなり、お金持ちの商人が富を独占しているから民衆が貧しくなるのだと、お金持ちの屋敷を襲う、打ち壊しが横行しました。

ちょうど同時期に貧しい民衆が蜂起して王朝を罰したフランス革命が起きたのは因果を感じます。しかし、江戸はフランスとは違う道を歩んでいきました。

それは商人が地区ごとにお金を出し合って米や生活物資を買い、貧しい人に配るという町会所を作った事です。力ある街の人が貧しい人を支えるというセーフティーネットを自分たちで作ったことにより、打ち壊しは治まっていったのです。結果、江戸を作ったのは幕府でしたが、救ったのは街の人々でした。

当時の商人はこんな言葉を残しています。

「富が人々より勝れば人は必ず憎む。情けに通じ足るを知る事が富である。」

儲ける事だけでなく、思いやりを持つことが本当の富に繋がるという意味です。

法華経というお経の中で「地涌の菩薩」という方々が登場します。お釈迦様が亡き後、誰がこの世を救うのかという問題に対して有名な菩薩方が立候補しました。しかしお釈迦様はそれを止めて、地面から湧き出た「名もなき菩薩達」がこの世を救っていくとおっしゃいました。「菩薩」とは自分を高め、他を助ける人達です。「名もなき菩薩」とはつまり私達の事です。一人ひとりが自分を高めながら、手を差し伸べ続ける事によってのみ救われると説いたのです。

社会の主役は私達です。微力でも「自利利他」の精神を胸に励むことで、この大変な時代も乗り越えて行けるのでないかと、江戸時代の方々から勇気を頂いたように感じました。

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